沈壽官窯 || Chin Jukan

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沈壽官窯とモノづくり

指宿白水館 薩摩の歴史を指宿から世界に

会長こだわりの『金襴の間』。歴代の薩摩焼を支えるのが15代作の陶板だ

『薩摩伝承館』を薩摩焼で表現。

 薩摩伝承館の開館に伴い、下竹原会長は15代に作品を依頼します。一つは伝承館のオリジナルグッズ、そしてもう一つが館内の目玉でもある『金襴の間』の一番下に飾る陶板の制作でした。要望は「伝承館らしいものを」ということだけ。「15代はパリ万博で絶賛された12代の造形や人物の描き方に近づいているし、彼は12代を超える存在だと思っています」という言葉からも15代を心から信頼している様子が伝わってきます。

果たして完成した陶板は、小川とそのほとりに咲く梅や桜、菖蒲、朝顔など季節を象徴する花々が描かれた連作で、1枚でも作品として成立するストーリー性を持ちながら、横並びで飾ったときに小川が繋がるようにデザインされています。「15代は伝統技術を受け継ぎつつも、具象的なものを描いて作品に物語を入れる点が素晴らしいですね。それに、この陶板は白肌に水…つまり白水館の姿そのものなのです。『金襴の間』の一番下の台は、絢爛豪華な先代の作品を支える重要なポジション。彼の陶板はその場にふさわしい傑作です」と下竹原会長は絶賛します。

 また、オリジナルグッズはカップ&ソーサー2種と平皿を制作しました。こちらでは、薩摩焼の白肌の美しさをモダンに表現しています。「唐草模様や蝶といった日本らしいモチーフを使って自然と調和し、自然を敬う姿勢が描かれています。気品に満ちた金箔の使い方なども申し分ないし、使い勝手や容量まできちんと考えられているところがさすがですね」。カップ&ソーサーは喫茶コーナーでも使用されており、お客さんからも好評なのだとか。

15代沈壽官が制作した平皿とカップ&ソーサー(すべて各15,000円)

 下竹原会長は、15代と定期的に飲ん方(飲み会)をする仲。「15代と森伊蔵の森さんと3人で飲むんです。みんな世代は違うんですが、『鹿児島のだんご3兄弟』って言ってるぐらい仲がいいんですよ」と会長は笑います。食道楽という共通点もあり、グルメの話から鹿児島の未来のことまで、宴で話が尽きることはありません。「焼酎は森さん、器は15代、そして場と料理は私が用意できる。これらが揃えば人をもてなすことができるんですよ。次の世代のためにも、3人で協力できることはどんどんやっていきたいですね」。こう話す下竹原会長は、今後どのような展開を考えているのでしょうか。「15代も同じだと思いますが、絶対的に受け継がなければならないものが私たちにはある。それを守りながら、時代の変化に柔軟に対応していくということも必要ですね。そこで気をつけなければならないのは、表面だけ変えても意味がないということ」。

 白水館の半世紀以上に渡る歴史の中で、大きな転換期がいくつもありました。それは、創業時から変わらぬ思いを実現するための変化でした。確固たる信念を持ちつつも、必要とあらば大胆な変化も厭わないその姿は、鹿児島の男性像とされる『ぼっけもん』という言葉を連想させます。『薩摩伝承館』という大きな船は、パリ万博で日本の芸術性の高さをいち早く世界に知らしめた薩摩焼のように、今後も大海原で航海を続け、世界中に様々な情報を届けてくれることでしょう。

指宿白水館
〒891-0404 鹿児島県指宿市東方12126-12
TEL 0993-22-3131
http://www.hakusuikan.co.jp/

薩摩伝承館
〒891-0404 鹿児島県指宿市東方12131-4
(指宿白水館敷地内)
TEL 0993-23-0211
http://www.satsuma-denshokan.com/

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