悪性インフルエンザ

15代日記 | 2009年5月22日

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 先日偶然、『みやね屋」と云う、一見報道番組風のワイドショーを見た。
 視聴率を上げ、視聴者をテレビの画面から何とか離さない為に、新型インフルエンザの不安を煽るだけ煽る、という最大限利用(超悪のり)番組だった。
 患者(特に運悪くその地区での一例目)は完全に犯人扱いだ。
 この第一例に対する異星人扱いこそ、心理的パンデミックを産むのだろう。
 不幸にも運悪く感染してしまった人間、まして同じ日本の若い患者に対しての、同情心など微塵も無い。
 ナノと云うミクロのレベルでは限界があることは周知。 
 それでも二ューヨーク国連会議から帰国した高校生二人はマスコミの格好の生け贄にされた。 
 あたかも、日本からこの二人だけが、反対を押し切って渡米したかの様な扱いだ。
 学校の前に中継車を張り付け、大阪の通勤途中のサラリーマンのマスク姿の群れを幾度もたぶらせながら、眉間にシワを寄せた女のレポーターが高校生二人の『足取り』?、二人の下車駅、機内での座席まで紹介したあげく、沿線のバカな住民から「うちの子に感染したら、どうやって責任取るんだ!」と吊し上げにされ、涙を流す校長を、コメンテーターの女形役者が『非常識だ』と更に鞭打つ。
 自らの悪のり報道には、ほんの軽くフォローを入れただけで、延々と『検証』と称して、誰もが知ってるネタを繰り返す。
 「いつ強毒性に変わるのかわかりませんよ」「蔓延期に入ってますから…」、と損保の営業マンか、マルチ商法の印鑑売りのオバサンみたいに未来への脅しを入れながらも、その次には「通常の季節風邪と同じように対処すれば良いんですね」などと、意味不な台詞で視聴者を幻惑する。
 高学歴を持ち、一流企業に就職し高収入を誇りながら、視聴率の為なら、築き上げた人格すらもしまい込む有様だ。
 又、それがプロだと思っている世間知らず。 
 今回も又、マスコミの行動に不快を感じた。
 
 そもそも、何処の世界に、明けても暮れても『落ち着いて下さい!』『冷静に行動して下さい!』と大声でわめかれて、平静でいられる人間がいるのか?と言いたい。
 返す刀で政府を煽り、騒ぎを出来るだけ大きくする事が、彼らマスコミの生きる糧となっているようだ。
 『インフルエンザ』とは元々『影響する』の意味だが こうなると、マスコミの方が余程、悪性のインフルエンザだと言えよう。
 新型インフルエンザはやがて終息するが、こちらの悪性インフルエンザは、今後とも生き続け、僕達の脳と感性を蝕み続けるのだろう。

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原則

15代日記 | 2009年5月15日

139-1
 海外に出て感じることは 日本人と違う、人々の地に足のついた強さだ。
 伝統と云うべきか、癖と云うべきか…、日本に居ては感じられない個としての成熟と、加えて何か熱の様なものがある。
 韓国に行くと、やはり、強く『生命力のオーラ』を感じる。
 
 韓半島は現在、二つに分断されている。
 超大国の利権の犠牲になった悲劇的な在り方だ。
 過去の日本もその大国の仲間入りを目指し、この国の大地と国民を武力で支配した。
 それはある意味当時の常識でもあったろう。
 
 何故なら、日本はヨーロッパ大航海時代の終焉とクリミア戦争からの新たなヨーロッパ・ナショナリズムの台頭の中で、中国を頂点とするアジア型農耕封建社会が西洋近代化工業社会の破壊力の前に、為す術もなく倒される姿を驚愕しながら見つめたからだ。
 それを、朝鮮より早く知り得たのは薩摩を先頭に行われてきた琉球を介した対明、対清交易による東アジア情報収集網によるものであった。
 従って、日本の南の青年達から発火していったのだ。
 当時、事大主義(大きいに仕える)を取っていた朝鮮王朝は近代化への歩みに於いて、結果的に日本に数歩遅れを取ることになり、彼らのその後の決定的な不幸の要因となっていく。

 但し、日本もあまりにも急変な対応を迫られる中で、日本人の原則とも云える精神文化のDNAすら組み換えざるを得なかった。
 ちょんまげを切りザンギリ頭に、着物を洋服に、下駄を革靴に、あれ程忌み嫌っていた肉を食い始め、攘夷から一転鹿明館でダンスだ。
 その時の日本人が受けたコンプレックスは甚大で、PTSDとなり、後の極端なナショナリズム(自己愛)に繋がったと僕は思っている。
 但し、それすらも余りにも大きな犠牲の結果、無条件降伏と云う結論に至ってしまう。
 その後の復興ぶりを見ても、日本はこれらの激変に耐えられる優れた環境対応型能力、つまりミュータント的能力を秘めているようだ。
 それ故、百四十年もの間、相手の土俵と相手のルールで戦い続け、疲れ果てながらも、遂に黄色人種として世界的国家にはなった。
 しかし、精神文化の骨格を崩してまで対応した代償は、後の原則無き国家の姿となって日本を国際的信頼から、今一つ遠ざけてしまった様に思える。
 昨今、やれ武士道だ、誇りある国作りだ、自虐史観だのと云われるのも、そんな背景からの苛立ちではないか。
 不器用に時代を捉えられなくて、苦しんだ韓国の方が、今は生き生きと見えるのが皮肉だ。

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帰国

15代日記 | 2009年5月14日

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 旅の日程をほぼ終えて、KTXでソウルに向かっている。
 新緑の山々、清々しい空に包まれた旅だった。
 日本人がめったに行かない田舎旅。
 付き合ってくれた二十名に感謝。

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宝城

15代日記 | 2009年5月14日

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宝城(ポソン)の村は茶の産地。斜面に描かれた茶の畦(うね)が描くラインが地上絵の様だ。

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木浦(モッポ)

15代日記 | 2009年5月12日

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 九州美術懇話会のツァーで韓国に来た。
 団長は不肖、私である。
 昨夜は木浦(モッポ)で一泊した。
 昔から行きたかった港町だ。
 『木浦の涙』と云う演歌が流行ったのをご存知だろうか?。
 人口二十四万の渋い憂鬱な坂の町だ。
 余談だが、この町が韓国で一番無頼の徒を輩出している町と言われる。
 漁師町としての気性の荒さに加えて、その貧しさからか…。
 
 さすがに海のものは美味しい。
 
 多島海と呼ばれる程、小島が点在している…らしい。
 と云うのはあいにくの雨でガスが出て、視界が効かないのだ。
 霧の中で、港から聞こえる船の霧笛が哀愁を誘う。
 この辺りは昔から海難事故が多く、多くの船が沈没している。
 中でも有名なのが新安の遺物だ。
 高麗時代の名品が六百年の時を経て、見応えのある引き揚げ品となっている。
 半日費やしても見切れない程、実に多くを語ってくれる。
 
 写真の巨大木製錨はモニュメント。
 木の錨は沈まない。
 日本人など誰も来ない街だ。

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茶名披露

15代日記 | 2009年5月11日

 やっと茶名披露の茶会を開いた。
 例の謎の中国人貿易商、沈宗官様の披露だ。
 裏千家淡交会のお年寄り、御重役の方々、約八十名をお招きしての茶会だった。
 この世界、茶名を頂いただけでは十分ではない。
 こうして披露の茶会を開いて初めて認められるのだそうだ。
 謂わば、これは踏まねばならない山だ。

 茶会に備えて、十六世御家元坐忘斎、千宗室様より掛け軸を拝受した。
 その掛け軸には『坐花酔月』の文字。
 「腰を下ろし、花に酔い、月に酔う」の意だ。
 
 最初は僕が焼酎を大好きだから(焼酎も僕を好きらしいが…)、御家元も沈さんなら『酔』だろう…と思われたのかな…?そう一瞬頭をよぎった。
 しかし、床に掛けじっくり眺めていたら、色んな事が浮かんできた。
 
 『花』と一口に言っても、絢爛なものから路傍に咲く名も知らぬ花もある。
 又、晧晧と照らす月もあれば、その姿さえ見せぬ月もある。
 僕という主体と関わり無く繰り返す客体の営み。
 しかし、人は自らに関わりなく在る物、もの言わぬ物に励まされ、救われる事がある。
 そして、彼等が自己の内面においては、我と同じ命ある物であることに気付く。
 
 同時に、月という遥か彼方の、巨大かつ永遠な物と、花という足元の細やかで、はかない命。
 そのコントラストの中に主体の我を置き、包まれる。
 するとやがて、自分すらも自然界の一部になっている事を知る。
 自らも万物の一つに過ぎないことに気付くのだ。
 自己の存在の真理を見いだす事を酔うと言うのだろうか…。
 良い言葉だ。

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草薙雑感

15代日記 | 2009年5月7日

 草薙氏 よほど楽しい事があったか?逆によっぽど悔しい事があったか?、そのどちらかしか無いだろうな…僕なら。
 ああなるとしたら、そうだから。
 マスコミは最初、さんざんなぶり者、晒し者にしといて、何故か一斉に今度は擁護。
 草薙氏に『スマップに戻りたいですか?』って聞いてたレポーターには驚いたが、テレビって、あのレベルだ。
 あの感性の計りで情報を絶え間なく切り売りしてくる。
 済んだ事は、戦場で通り過ぎた弾丸と同じように、忘れられる。
 
 警察官は厳しすぎるとの批判は分かるが、裁量と云うのは難しい。
 つい先日、警察署の副署長がホロ酔いで署に車で戻ったら、部下に怪しまれ、検知の結果はアウト。
 これ聞くと融通の利かない方が良いのかな…って思ったり、同時に、なんて部下だ?と思ったりもする。
 融通といえば世界一を誇る自由民主党の大臣、鳩山先生が『最低の人間、最低、最悪の行為』って…、友達の中川先生の時は何も言わなかったのに。
 恥を世界にさらしたのは誰だ…?。
 北海道のある地区が許せばOKらしい。
 草薙はそうゆう意味では全国的だからキツい。
 僕が『あいつが逮捕なら俺は死刑だな』って言ったら、十九の娘が『あたしもだよ!』って…。こいつ……どんな酒飲んでんだ…?。

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