続、下山して

15代日記 | 2008年5月21日

44-1
 三徳山からバスで倉吉まで、ビールの酔いと山登りの疲労とで気持ち良く寝てしまい、運転手に起こされた。
 時計を見たら、まだ三時半。安来の足立美術館に行くことにした。電車で倉吉から安来に着くと、足立美術館までの最終の無料送迎バスが今まさに出んとするところ。
 客は僕一人。運転手が何か盛んに話し掛けてくるのだが、訛りがきつくて全く理解不能。適当にハイハイと返事。
 到着し入館料を払う。
 女性スタッフが全員、似たようなタイプなのは何故だろう。採用者の趣味か、それとも僕がオジサンだから、若い者が皆同じに見えるんだろうか…だとしたら、かなりヤバイ…。などと思いながら進んでいくと、日本庭園の最高峰が眼前に現れた。
 桂離宮や二条城、龍安寺等の京都勢をを押さえての堂々のトップ庭園である。
 実に見事である、そして完璧である。スタッフの日々の献身的な努力が見て取れる。しかし何と無く『来ない』のである。何故『来ない』のか分からないまま歩いた。
 そうか、僕は三徳山から来たのだ。あの山頂からの絶景を見て、木立を吹き渡る神々しい風に身を置き、無数の仏に出会ったのだ。故に、人の作り上げた枯山水の森に満たされない訳だ。
 逆に廻れば良かった…と安来行きのイエローバスで考えた。
 ただ、足立美術館の横山大観展、とりわけ中でも動けなくなったのが『朝嶺』『暮嶽』という一対の作品だ。墨一色で描かれた作品だが、圧倒的だった。これは確かに『来た』。
 二階の陶芸館では巨匠、北大路魯山人の展示会。作品は既に見ているので、年表を見ながら離婚の回数を数えていたが、六回目位で面倒臭くなり止めてしまった。
 これも又、別の意味でスゴい事である。

ページの先頭へ