ぴょん吉

15代日記 | 2009年1月9日

118-1
 娘が飼っていた犬を預かる事になった。
 成犬なのに猫より小さい奴で、何の種類か僕は知らない。
 人を見ると喜んでぴょんぴょん跳ねる。 
 だから呼び名を『ぴょん吉』にした。
 シンプル過ぎる…。
 僕は最初、あんまり小さいから、せめて名前だけは大きくと思い、『チェーザレ』(イタリア語でシーザーの意味)と呼んでいた。
 しかし家族の同意が得られず、協議の末、あっという間に『ぴょん吉』になってしまった
  
 彼は、抱き上げると喜びの余りか、時々、いわゆる『うれション』と云うのをしてしまう。
 そもそも、嬉しくてオシッコちびると云うのは、一体どれくらいの喜びなんだろう……。
 経験無いから想像もつかないが、一度位、経験してみたいものだ。
 ともあれ、彼をその都度叱るのだが、つぶらな瞳でじっと見つめられると、許してしまう(笑)
 可愛いものだ。 
 生き物を室内で飼う事は楽な事ではないと知った。
 匂いもする、まとわりつく、足に腰を振る(笑)、何でも噛む、洗濯物は移動させる、寒くないのか?喉乾いてないか?と様々だ。
 ウンチの仕付けも大事だ。
 しかし、ぴょん吉はどう見ても外で生きていけるタイプではないのだ。
 
 我が家には『ロン』と云う雑種の犬がいる。
 もう十四歳になるが、いつも外だった。
 僕が市内のペットショップで買ってきた。
 確か六千円だったと記憶している。
 僕が『売れ残ったらどうするの?』と聞いたら保健所に持っていくと答えた。
 しかも犬屋の兄ちゃんは、ここにいるのは全部、柴犬とゴールデンレトリバーのハーフだよと言った。しかも雄だと…。
 顔立ちと仕草で決めた。それは間違ってなかった。
 優しくて賢い犬に育った。
 兄ちゃんはこいつはゴールデンがかなり強い、と太鼓判を押してくれたが、成長しても、身体は一向に大きくならず、耳も片方しか立たない。さらに雌だった。
 近所のオッサンは、この犬は猪を追う犬だ、と言ってた。
 兄ちゃんは大嘘つきだったのだ。
 今は目も見えなくなり、声も小さくなった。
 でもいい子だ。
 きっと、ぴょん吉もいい子になるだろう。

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