永平寺

15代日記 | 2008年11月12日

101-1
 昨日は午前中、京都・北区の有名な『竜村』(西陣織の織元)を訪ねた。
 前夜の宝ヶ池国際会議場での京都賞受賞式で知り合いになったのだ。
 楽しい一夜だったが、訪ねてみて、更に楽しかった。
 西陣織りは七十六名の技術者がバトンを受け渡しながら完成させると云う。
 原糸から構図に至まで、綿密に仕上げていくのだが、いずれの工程も長い歴史の中で築き上げられたノウハウの塊だ。
 加えて、その意味付けが実に深い。
 説明を聞きながら、やはり、仕事の本質はまず熟慮だなぁ…と感じた。
 その深遠なるウィル(意志)を現す為に熟達のスキル(技術)がある。
 双方の高いレベルでの均衡が上質の証だ。
 
 午後は福井迄、足を伸ばして永平寺に来た。
 京都駅0番ホームは北陸本線。
 京都と北陸の深い歴史的繋がりを示している。

 
 曹洞宗大本山、永平寺。
 これは素晴らしいの一語に尽きる。
 案内してくれたのは高校の同期生、八木君だ。
 彼の父君は永平寺の奉賛会の会長らしい。
 
 京都の瀟洒な寺と祇園で遊ぶ腑抜け坊主を見慣れている僕には、初めて見る骨太の本格派だった。
 華美な装飾は無いが、磨き上げられた床や柱には、篤い信仰を感じる。
 痩せた修行僧達の静かで足早なお務めの動きが緊張感を増す。
 
 ヌッタリと脂を全身に浮かせ、ド派手な僧衣に身を包んだ『僧』と言う名の化け物など一人も居ない。
 
 久しぶりに心洗われる、日本人としての自信を取り戻してくれる場所だった。
 
 案内してくれた若い修行僧…。
 彼が将来、派な僧侶に成ることを祈りたい。

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