個展最終日

15代日記 | 2008年11月11日

 一昨日はギャラリートークだった。
 四百年の薩摩焼の歴史と技法の変遷、僕らの目指す物作りの道等を語った。
 会場には、溢れんばかりの人々に来て頂いた。
 二十数年ぶり、大学時代の懐かしき同期生、池端君の姿もあった。
 工業試験場時代の仲間や松本からは映画『白磁の人』の完成を目指すやんちゃ坊の李さん、大阪からも米田さん等々…有難い限りだ。
 皆、僕の事を外に出している家族の一員の様に思ってくれている様で、温かい愛情に包まれて本当に癒される。
 感謝、感謝であった。
 
 仕事と云うものは、己が満足する物を作れば良い、と言う程簡単な事ではない。
 第一に誰を満足させるのか?が大切だ。
 他者から自分が何を求められているのかを知り、それを上回る結果を出せた時、初めてサプライズがあり、満足がある。
 満足するのは、提供する側ではないのだ。
 僕の周りにも、「いい仕事をすれば、客は付いてくるんですよ」とほざくアホが未だに居る。
 だったら世の中、工場と店だけあれば良い。
 大体、『客』などと呼び捨てにする辺りに、馬鹿の片鱗が垣間見える。
 手を合わせない奴はやっぱり駄目だ。
 
 お客様の心のニーズを知る為に自らの感覚もフラットに保っておく必要がある。
 解りやすく言うと、ミーハーな自分を大切にすると云う事だ。
 その上で、ウィルとスキルを高め、仕事に上質な客観性を持たせねばならない。
 そして、その物が、良い場所で良い姿勢の人により、良い人の手に渡る事迄を含めて、『良い仕事』と呼ぶのだ。(勿論、回収を含めて)

 かほどに長い物語の中に、マニュアルとか大企業病、縄張り意識、保身と言った『事故米』の様な精神が混じり込むと、たちまち仕事は輝きと勢いを失う。
 実に恐ろしい。
 『良い仕事』と云う長い物語を、これから何度味わえる事だろうか…。

ページの先頭へ