金沢にて

15代日記 | 2008年10月29日

93-1
 昨日は金沢の香林坊大和百貨店で朝九時半から個展に向けて担当者への作品説明会を開いた。
 窓からは旧制四高(現・金沢大学)の庭が見える。
 戦災を逃れたお陰か町中に古き善きものが目白押し。
 人口四十万人とは言うが、鹿児島市の六十万人より遥に濃密だ。
 仕方ない。
 鹿児島は薩英戦争、桜島大爆発、太平洋戦争と、とにかく何度もめちゃくちゃにされている。
 島津が前田に負けた訳じゃない。
 篤姫の頃はさぞや美しい町だったろう。
 
 篤姫といえば、我が家の表座敷は藩政時代の御仮屋である。
 アメリカもこんなド田舎までは爆弾を落とさなかったらしく、今も二百年以上の貫禄をたたえている。
 
 御仮屋とは島津家の方々が江戸や京都に上られる時、お泊りになられた場所だ。
  
 だから、篤姫も当然泊まった事になるのだ。

 僕がこの表座敷でお客様と話す時、隣室を指差し『この部屋に篤姫も泊まられたのですよ…』と言うと、大概の男性は一瞬、畳を見つめながら、宮崎葵の寝乱れ姿を思い浮かべる様だ。
 その証拠に僕が『篤姫ですよ』と重ねて念を押すと、必ず、ハッと我に帰って照れ笑いをするのだ。
 
 まったく…。

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